なっぱの記録

感じたことをちょっとだけ。

グリーンマイル

 2017.10.7

NEWS加藤シゲアキ主演

舞台:グリーンマイル を観劇してきた。

 

 

"どんな人間もいつかは死ぬ。

それにしたって、このグリーンマイルは長過ぎる。"

 

グリーンマイルは人生だ。

 

公演後、苦しくて悔しくて切なくて、言葉にできない負の感情で しばらく席から立ち上がる事ができず、私の脳内では処理が追いつかなかった。

 

私は、なんの為に生まれて来たんだろう?

私は、なんの為に生きているんだろう?

私は、なんの為に仕事をしているんだろう?

 

…自分の心が弱くなった時、答えのない漠然とした疑問が頭に浮かぶ時がある。誰のため?なんの為?…

そんな時、ふと思い出す恩師の言葉。

『楽な方に逃げるな。生きていくって辛い事ばかりだけど、どんなに辛い事があっても生きていれば、必ず良い事もある。今は解らなくてもいいから、そう信じてもう少しだけ、ほんのちょっとだけ頑張ってみろ。そうすれば、必ずその頑張りを評価してくれる人がいる。その人に出逢ってその人を大切にしたい。と思えるようになったら、それが、貴女の生きる意味になるから。』

 一度だけ、全部投げ出して、心が空っぽになった経験がある。でも、この経験があったから、その後、心が折れそうになった時、この言葉をより信じて頑張った。ほんのちょっと頑張る。を繰り返して生きてきたら…色んな経験をして、たくさんの人と出逢えて、助けて頂いて、当時は想像もしなかった世界に立つ事ができた。

 

自分の事を理解して受け止めてくれる人がいる。

ってとても幸せなことだと思う。

コーフィーはきっと、ポールに出逢うまで孤独だったと思う。 不思議な力を持っていたから、みんなの苦しみや痛みを吸い取って背負わなくても良いことまで背負って。

 

私は、職務は違うけど、ポールと同じ "人の最期に寄り添う仕事"をしている。

夢をみて、頑張って学び就いた職。

仕事を始めて4年が経った公演前日、初めて ひとの最期をみた。私の蘇生は間に合わなかった。辛かった。苦しかった。悲しかった。

こんな中で、こんな気持ちで舞台を観てもいいのだろか?と思った。と同時に、こんな時だからこそ この舞台は観なければならない。という気持ちになり会場の座席に着いた。

 

公演中、例の疑問が頭を過る。

 

私は、昨日の彼女の死を受け入れてどう生きていくのか。

彼女だけじゃない、今後、出会う ひと の人生の最期にどう寄り添って仕事と向き合っていくべきか。

そもそも、私の人生の救い って何なんだろうか。

 

色んな事を考えた。答えを出すのは難しい、と思った。

 

でも、終演後、公演中に抱いた疑問は解決していた。

立場が変われば意見も変わる。

理不尽な事もたくさんあるけど、相手の立場に立てばそれが正論だったりもする。

色んな規則や制約がある中で、利用者さんのためにできる事を支援する。目の前にあることを熟していく。

利用者さんが喜んでくれる。それだけで私が仕事をする意味になる。それだけでいい。それだけが全てだ。

そして、そんな私を支えてくれる人…

家族、友人、上司や同僚がいる。

私を信じて大切にしてくれる人がいる事が

私の生きる意味であって救いなんだ。

 

 

"人生とは孤独であることだ。 誰も他の人を知らない。みんなひとりぼっちだ。自分ひとりで歩かねばならない。"

 

 

 ドイツの詩人、ヘルマン・ヘッセの言葉を思い出す。

その通りだと思う。でも、ひとりぼっちは寂しいし孤独なこと程、怖いものはない。とも思う。

 

公演後、色んなことを沢山考えた。

苦しかった。でも、求めいたことは、とっても簡単で当たり前な事だった。

 

でも、当たり前は当たり前じゃない。

 

私を支えてくれている大好きな人達が

笑って生きてくれていれば、それだけでいい。

それだけで充分だ。

 

大好きな人達が笑って生きてくれている世界を大切にしたい。

そして、その世界がずっと続いていくことを心から願っている。

 

いつか、ポールとコーフィーが再会できますように。

 

舞台:グリーンマイルカンパニーの皆さんに感謝を込めて。