なっぱの記録

感じたことをちょっとだけ。

せばね。

 

 

 

何を残したいのか分からないけど、

自分の気持ちを記しておきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある物語の主人公は王子様のキスで目覚めるという。

ふとそんな事を思い出し 前日から眠っている貴女にそっと口づけをした。

貴女の唇は硬く冷たく 目覚める気配なんて全く感じられなかった。…ああ、そうか。目覚めるのは王子様のキスで娘の口づけでは目覚めないのか。

 

あの時、本気で考えた。でも、いま、振り返ると何してんだ、何を考えてんだ。と思う。

でも、実際、色々と狂っていた。表では冷静な振りをしてたけど、気持ちと頭が別々だったんだ。

 

 

 

自分より家族、他人だった貴女。

きっとずっと前から症状はあったはずなのに

気付いてあげられなかった。

なんで もっと強く受診を勧めなかったのか。

私の何を誰に差し出したら戻っきてくれるのか。

もう一度、一度だけでいいから会いたい。

何度も考えた。

 

貴女は 覚悟を持って 私達の知らない所で最期の準備を進めていて。

家族以外には 決して告げず、弱音も吐かずひとりで闘っていた。

そして、最期まで強くて温かくて優しい母だった。

今更、悩んでも仕方ないことだと分かっていても

一度は覚悟して気持ちに整理をつけた事なのに、悔やまずにはいれない。

 

 

 

 

貴女が居なくなって1ヶ月半。

色んな忙しさも落ち着いてきて 眠れる時間も徐々に長くなって、貴女宛の未読スルーのLINEにも慣れてきたよ。

 

貴女は居なくなる前日、看護師さんに私を紹介してくれた。

世界で一番かわいい自慢の娘です。と。

普段、言わない事を突然、言うから照れくさくて

誤魔化しちゃったけど、本当は すごくすごく嬉しかった。

27歳なんて そこそこの大人だけど、親の前では もう少し甘えていたいのが本音。

お母さんは 世界で1番怖いけど、世界で1番優しくて頼もしくて温かい。大好きだよ。私を産んでくれて お母さんになってくれて 育ててくれて 沢山愛してくれて 本当にありがとう。少し待たせちゃうと思うけど、私がそっちに行ったら沢山 話しようね。

せば まんつね。